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コラム
2022/12/01
新型コロナウイルス流行下のフレイル予防について
フレイルとは「Frailty」を語源に、年を重ねるにつれて心身にみられる老いや衰えのことを意味しています。
フレイルの状態になった時、そのまま放っておくと、何らかの病気にかかりやすくなったり、入院することになったり…。
ストレスに弱い状態になります。フレイルとは、健康と要介護の中間の状態のことを指します。
フレイルの状態の時に、早く適切な対策を行うことで、健康な状態に戻すことができることが分かっています。
一言にフレイルと言っても様々で、多面性があると言われています。
代表的には、「身体」「こころ又は認知」「社会性」この3ついずれかのバランスを崩している状態ではないかと考えられています。
身体のフレイルは、「ロコモ」と言われる骨や関節などが衰えた状態、あるいは「サルコペニア」と言われる、加齢に伴って筋肉量が減少した状態であることが代表的です。
こころ又は認知のフレイルでは、うつ状態や、認知機能低下等が見られます。
社会性のフレイルでは、閉じこもりの状態や孤食していることを指したりします。
また、フレイルとお薬にも関連性があると言われています。薬を飲んで、その副作用が原因で日常生活に影響が出て、結果的にフレイルになる可能性があります。
ただし、フレイルになるのが怖いからと言って、お薬を飲むことを止めても良いでしょうか?
いいえ、勝手には止められません。お薬を飲んでいて何か不調や異変があった際は、まずはかかりつけの先生もしくは薬剤師に相談しましょう。
フレイル予防には3つの柱と言われる、「栄養・運動・社会参加」が大変重要です。
①栄養
バランスの良い食事を心がけ、筋肉のもととなる魚、肉、卵、大豆製品や、骨を強くする牛乳、乳製品を多く摂りましょう。
よく噛むことも口腔機能維持のために大切です。
②運動
歩行運動であれば1日5000歩以上歩くと、フレイル予防に効果的であることが分かっています。
できれば筋トレも実践しましょう。ちょっとした運動でも継続して行うことで、死亡のリスクを下げることができます。
筋力の低下を防ぐことで、転倒・骨折で寝たきりになるリスクも軽減されます。
③社会参加
社会参加の機会が低下すると、フレイルの最初の入り口となりやすいことが分かっています。
昨今は、新型コロナウイルス流行の影響により、この社会参加の機会が減少することで、フレイルが増加すると懸念されています。
各地域で実施されている健康教室や地域サロンにはぜひ積極的に参加しましょう。
また、お友達とのコミュニケーションは、電話やお手紙も有効です。
《執筆者》
株式会社マスカット薬局 倉敷店
薬剤師 今城 慶子